◼️ 書くことは二人称をつくりだす試み ◼️
ひとつひとつの、ことばの態度が優しい。
まるで雪の日の、すべてを包み込む静けさのよう。
読み進めるたびに、
こころが救われる想いになるのは、
美しい言葉で、愛をこめて、
肯定してくれるから。
手紙15
記憶は、過去のものではない。
それは、すでに過ぎ去ったもののことではなく、
むしろ過ぎ去らなかったもののことだ。
じぶんのうちに確かにとどまって、
じぶんの現在の土壌となってきたものは、記憶だ。
「記憶の作り方 あとがき」から
手紙19
どうしてか読みさしになる。
そうであって、それきりになってしまうのではなく、その後も気持ちが残っていく本があります。
気持ちがのこる。けれどもなじめないというのは、それが退屈な本であるが故ではありません。
その本の読み方を間違えるためです。
#長田弘
#すべてきみに宛てた手紙
#雪の夜の読書