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風の時代が始まるという2020年12月22日の朝は、 稲佐山の日の出の景色を眺めながら迎えました。 長崎で仕事納めしたあとは、 クリスマスの五島列島に一人旅しようと決めていました。 仕事があり、 健康があり、 時間があり、 なにも引き留めるものがないのだから、 行かない理由はない。 「年末なのに」 「コロナなのに」 「家族がいるのに」 それは社会の顔が求めることで、 魂が求めることではないもの。 目的は、自分自身の魂の解放と、 純度の高い「想い」にチューニングを合わせるため。 私はクリスチャンではないので、 キリスト教は、人間の歴史だと捉えています。 宗教を侵略に用いた狡猾な支配者層もいれば、 パライソ(天国)に行くことを真摯に願い、 地獄のような迫害を受けても棄教せず、 祈りを捧げ続けた純朴な漁民や農民もいました。 どちらも人間。 人間の心の「光と影」 これまでは「支配者」になることが光であり、 成功者と言われた時代だったけれど、 本当にそれがしあわせな人生だろうか? 私は純度の高い生き方を「光」と捉えたい。 長崎の外海から命を懸けて五島列島に渡り、 信仰を守り、懸命に生き、 祈り続けた潜伏キリシタンたちの「光」に触れて、 自分自身の「信じる心」の純度を高める巡礼の旅。 高速船で1時間45分で長崎港~有川港へ 港に着いたら午後6時30分、真っ暗で、何も見えない。 空には上弦の月 滞在した上五島には29の教会があり、 宿泊したホテルは、それになぞって客室も29。 ホテルのベッドの上には、 日の出~日の入の時間が記されたムーンカード。 このカードはベッドメイキングのたびに 今日のぶんが置かれていました。 すてきなプレゼンテーション。 島ごはんのお夕食のあとは、お風呂に入って早めに就寝。 朝、目が覚めたら、窓の向こうは海でした。 刻々と金色に変わっていく朝陽。 健やかに生きていること、 精神も身体も自由であることに感謝が溢れ、 太陽に向かい、自然に祈りを捧げる。 かわいい教会も見える。 後日訪れたら、感染症予防のため、 地元の信徒以外立ち入り禁止でした。 朝ごはんをゆっくりいただいたあとは、 観光タクシーをお願いして、教会巡り。 青砂ヶ浦天主堂 この慎ましやかなクリスマスの電飾に キュンッとくる。 煉瓦の色の濃淡が十字架になっている。 頭ケ島天主堂 どの教会のマリア像もとても優美なお顔で、 丁寧に愛をこめて作られていることが伝わります。 字や数字が石に刻まれています。 生活が貧しかったため、建築資金が乏しく、 切り出した岩を船で運び、 信徒が一つ一つ積み上げた手作りの教会。 1日に運べるのは2つくらいで、 完成まで10年かかったと聞きました。 哀しいほど碧い海。 潮の流れが早く、生きていく厳しさが伝わる。 旧鯛ノ浦教会 タクシーの運転手さんは上五島出身、 私より2歳年上で、 長年、大阪の警備会社に勤務していたそう。 職業柄、「人を信じない」「悪事の裏をかく」 が前提だったから、ストレスが絶えなかったけれど、 郷里にかえったら「性善説」に思考が変わり、 安心感のなか、暮らせるようになったらしい。 子供時代の捕鯨漁、イルカ漁のあとの港の匂いや、 イルカの煮込みの味の話も、 文化の違いを感じさせられ、興味深かった。 話が弾んで、1時間延長サービスしていただき、 地元民との愉しいふれあいの時間になりました。 ホテルの小さなライブラリーでは、 遠藤周作の本を読んだり、手紙かいたり、 静かな時間がゆっくり流れます。 島の天然食材を使ったメニューはいずれも美味しくて、 お料理が毎食がすごく楽しみでした。 天然といえば、塩。 矢堅目(やがため)の塩工場にも行きました。 海水4トンを、薪でゆっくりゆっくり蒸発させると、 40キロの塩になる。 商品になるまで2週間かかるそうです。 五島の海水は、島の植物と海のミネラルがとけこみ、 いい塩ができるのだとか。 結晶が大きくて、旨味がある。 氣の良い塩は、心身を護ってくれる自然の恵み。 クリスマスイブの夜、 一人で愉しく食事をしていたら、 30代前半位の慎ましやかなカップルが 少し離れたお隣にいらして、 クリスマスメニューらしきパイの包み焼きを 嬉しそうにパリパリ開きながら笑い合っていて、 その姿があまりにも微笑ましくて、かわいくて。 一人旅がまったく寂しくないのは、 帰る場所があって、 誰かと一緒に食事する喜びが日常にあるからだと しみじみ感じいりました。 その感情が、最高のクリスマスギフト。 まだ暗い早朝の出発。 あたたかいキノコと野菜のスープの朝食を ホテルのかたが用意してくださり、 身体中がぬくもりました。 有川港までの道中、 「今日は長崎にかえって、外海に行くんです。」 と、タクシーの運転手さんに伝えたら、 「外海は五島の隠れキリシタンのルーツだからね、 行ってみたいとずっと思いながら、 まだ行ったことないんですよ。」 とおっしゃられ、ここでの出来事すべてが、 時空を超えたおとぎ話だったかのような、 不思議な気持ちになりました。 朝から冷たい雨が降っていましたが、 出発の時には金色の朝陽が見送ってくれました。 そして、外海へ。 『人間がこんなに哀しいのに 主よ 海があまりに碧いのです』 遠藤周作の「沈黙の碑」に刻まれたとおり 畏怖を感じるほど美しい海が心に沁みる。 2021年、心の声に純粋に忠実に生きる。
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| 2021-01-01 18:53
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