NHK朝ドラの録画を1話から一挙観賞する、
『あさが来たマラソン』完走。
コミュニケーションを学ぶようになり、
ドラマの見方が変わったと思うのは、
登場人物の印象形成や、
心動かされるシーンには、
コミュニケーションの手法が
多くちりばめられているということ。
例えば、女中のウメ(友近さん)は、
リフレクティブ・リスニングが秀逸。
リフレクティブ・リスニングとは、
相手の感情に共感する傾聴法ですが、
大切なシーンのセリフを受けて、ウメが、
『それは、それは、おつらかったでしょう』
と、一言。
目立たないセリフだけど、
観ている側までもが、
感情をすくってもらったような、
温かい気持ちになり、
この一言の重なりが、ウメの印象形成に
大きな役割を果たしている。
そして、このドラマのなか、
YESの印象を10倍よくする表現だと
個人的に感じるのは、
『任しておくれなはれ』というセリフ。
『承知いたしました』のあとに、
『任しておくれなはれ』が加わると、
YESの協力性や積極性、
味方の立ち位置が、俄然、強まります。
この『任しておくれなはれ』が、
様々なシーンで登場人物のセリフにあります。
あさの夫役・新次郎さん(玉木宏)は、
浮世離れしたロクデナシ夫のようでありながら、
世の妻たちが心惹かれている一因は、
いつでも〝あさ〟に対して
『 任しておくれなはれ 』
と、笑顔で協力してくれるスタンス。
年末は、現代のご主人も、
大掃除に駆り出されたり、
妻主催の断捨離祭に強制参加させられることも、
あるでしょうが、
『 窓掃除ね、わかったよ。任せて! 』
『 クローゼットの断捨離ね、任せて! 』
と言われたら、妻はどんなに嬉しく、
安心するだろう。
YESのあとに『 任せて! 』
たった一言で積極的に協力する、
味方の姿勢が伝わります。
ドラマのシーンを観ながら、
コミュニケーション研修をしたら、
すごく分かりやすいだろうと思う。
そうそう、近藤正臣さんのことを、
若い頃はキザな役者さんだと思っていましたが、
頼もしさ、優しさ、愛しさ、
人間力の深みを感じる演技に
目が離せませんでした。
そして、人との関わり方や伝え方、
とても学びになりました。
『あさが来た』
とてもいい、コミュニケーションドラマです。